Letter
遺伝学:南西太平洋地域への人類定着に関するゲノムに基づく考察
Nature 538, 7626 doi: 10.1038/nature19844
南太平洋地域では、約3000年前にラピタ文化と関連する人類が出現したが、これは人類が定着していなかった地域への最後の大規模な人類分散の始まりを印づけている。しかし、この先駆者集団とニューギニア地域にずっと以前から定着していたパプア人との関係は、まだはっきり分かっていない。本論文では、バヌアツ出土の3個体(約3100~2700年前)およびトンガ出土の1個体(約2700~2300年前)から得たゲノム規模の古代DNAデータを示す。我々はこのデータについて、東アジアおよびオセアニアの現代人778人のデータを用いて解析を行った。現在、南太平洋地域の先住民は、パプア人系統と、もはや純粋な状態では存続していないが、古代人たちとよくマッチする東アジア起源の集団とが混合した祖先を持っている。これまでの解析のほとんどは、現在の地域でパプア人系統が最小で25%であることを、ポリネシアを含むリモートオセアニアに達した最初の人類がニューギニア付近の混合集団を起源とし、その後さらにリモートオセアニアの奥部へ広がっていったことを示す証拠と解釈してきた。しかし、今回の古代人たちがパプア人祖先系統とはほとんど、あるいは全く関係がないという今回の知見は、これらの島々へ人類が最初に定着した後で起こった人類集団の移動が南太平洋にパプア人の系統を広げたことを意味している。

