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がん治療:MCL1の阻害剤S63845はさまざまながんモデルで忍容性があり、有効である

Nature 538, 7626 doi: 10.1038/nature19830

腫瘍が発生し増殖を続けるには、アポトーシスの回避が非常に重要となる。生存促進性タンパク質のMCL1(myeloid cell leukemia 1)は多くのがんで過剰発現しているが、このタンパク質を標的とし、臨床試験に持ち込みやすい小分子化合物の開発は難問とされてきた。本論文では、MCL1のBH3結合溝に高い親和性で特異的に結合する小型分子であるS63845について報告する。反応機構を調べた結果、S63845はミトコンドリアを介するBAX/BAK依存性アポトーシス経路を活性化して、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫などのMCL1依存性がん細胞を殺す能力が高いことが分かった。in vivoでは、S63845は複数のがんで強力な抗腫瘍活性を示し、単剤としての安全域は許容範囲内である。さらに、S63845を単剤使用あるいは他の抗がん剤と併用した際に見られるMCL1阻害は、複数の固形がん由来細胞株で有効であることが証明された。以上の結果は、MCL1が広範囲にわたる腫瘍で治療標的となることを示している。

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