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人類移動:初期人類の移動を駆動した後期更新世の気候要因

Nature 538, 7623 doi: 10.1038/nature19365

化石データおよび考古学的データに基づき、ホモ・サピエンス(Homo sapiens)のアフリカからユーラシアへの移動は、約12万~5万年前に、軌道変化に伴い複数回にわたって起きたと仮定されている。初期のホモ・サピエンスは、植物の生育する雨の多い回廊を通ってアフリカ北東部からアラビア半島およびレバント地方へ移動し、さらにユーラシアやオーストラリア、南北アメリカまで広がった際、気候条件や海水準のさまざまな時間スケールでの大規模な経時変化を経験した。これまで、氷期スケールおよび1000年スケールの気候変動が初期人類の分散と進化に及ぼした影響を定量化することは困難であった。本論文では、過去12万5000年にわたる気候変化および海水準変化に関する時空間的推定によって強制される、人類分散の数値モデルによる解析結果を報告する。この数値モデルから得られたホモ・サピエンスの分散のシミュレーション結果の全体像は、考古学的データおよび化石データとよく一致していた。このモデルはまた、アラビア半島およびレバント地方を経由する大規模な氷期の人類移動の波が、約10万6000~9万4000年前、約8万9000~7万3000年前、約5万9000~4万7000年前、および約4万5000~2万9000年前に存在したことを示している。今回の結果は、軌道スケールでの全球的な気候変動が、後期更新世の全球の人口分布を形作る上で重要な役割を果たしたのに対し、ダンスガード・オシュガー事象に伴う1000年スケールの急激な気候変動による影響は、より局地的なものに限られていたことを実証している。

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