Letter
物性物理学:ノード鎖金属
Nature 538, 7623 doi: 10.1038/nature19099
固体のバンド理論は、ほぼ間違いなく物性物理学の最も成功した理論であり、さまざまな物質の電子エネルギー準位を説明できる。バンド理論から得られる電子の波動関数によって、トポロジカルに保護されたロバストなフェルミオン準粒子が電子スペクトルに存在する可能性がある、金属のトポロジカル特性を評価できる。こうした準粒子の多くは標準模型の素粒子と似ているが、相対論的高エネルギー理論に対応するものがない準粒子もある。相互作用がない場合であっても、固体に存在し得る準粒子の完全なリストはない。今回我々は、これまで認識されていなかった種類のフェルミオン励起が金属に存在する可能性について報告する。この励起は、ノード鎖(運動量空間のループが連結した鎖)を形成し、このノード鎖に沿って伝導帯と価電子帯が接触する。我々は、このノード鎖が、これまで報告された励起とはトポロジカルに異なることを立証する。また、この励起が現れるのに必要な対称性の条件を検討し、既存の物質である四フッ化イリジウム(IrF4)や、この種の物質の他の化合物でこの条件が実現されると予測する。我々は、IrF4を例に、ノード鎖を伴うトポロジカル表面状態を検討する。ノード鎖フェルミオンが存在すれば、既知の励起を示す物質とは異なる異常な磁気輸送特性が生じると、我々は主張する。

