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化学:生体関連有機反応の自己触媒的双安定振動ネットワーク

Nature 537, 7622 doi: 10.1038/nature19776

有機化学反応のネットワークは、生命において重要であり、生命の起源においておそらく中心的役割を果たしたと思われる。ネットワークのダイナミクスによって、細胞分裂、概日リズム、神経インパルス、走化性が調節され、生物の発生が誘導される。平衡から外れた化学反応ネットワークは、自発的パターン形成、双安定性、周期振動などの創発的なネットワークダイナミクスを示す可能性があるが、有機反応ネットワークによる複雑なふるまいの発生を可能にする原理は十分には理解されていない。今回我々は、有機チオールとアミドの濃度が双安定性と振動を示す生体関連有機反応(アミド生成、チオラート–チオエステル交換、チオラート–ジスルフィド相互変換、共役付加)のネットワークを報告する。振動は、ネットワークの下位成分、すなわち、チオエステルとジアルキルジスルフィドからチオールとアミドを生成する自己触媒サイクル、自己触媒増殖を制御するトリガー、自己触媒サイクル中に生成される活性化チオール種を除去する阻害プロセス、の3者間の相互作用に起因する。高度に進化した生体分子(酵素、DNA)や、生化学的関連性が疑わしい無機分子(例えばベロウソフ・ジャボチンスキー型反応に用いられるもの)を用いて振動と双安定を実証したこれまでの研究とは異なり、我々が使用した有機分子は代謝に関係しており、初期地球上に存在した可能性のある分子に類似している。我々は、有機小分子を用いて、自己触媒的、双安定的、振動的なふるまいをする有機反応ネットワークを構築することによって、生命に関連する動的ネットワークがどのように進化し得たのかを説明する原理を明らかにした。このネットワークを改良することで、分子構造が反応ネットワークのダイナミクスに及ぼす影響が明らかになり、生体模倣ネットワークの設計や、自己調節して進化する合成化学系の設計が可能になるかもしれない。

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