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構造生物学:ヒト転写プロモーター二本鎖開裂のニア原子レベルでの可視化
Nature 533, 7603 doi: 10.1038/nature17970
真核生物の転写開始では、二本鎖DNAが開裂し、RNAポリメラーゼIIが転写開始部位を見つける。そのためには、コアプロモーターに多数のサブユニットが集合して大型の転写開始前複合体(PIC)が形成されることが必要である。今回我々は低温電子顕微鏡を使って、閉じた(二本鎖DNAに結合している)状態のヒトPICと、開いた(転写バブルに結合している)状態のヒトPICと、開始当初の転写中の複合体(DNA–RNAハイブリッド鎖の6塩基対を含む)の構造を、ニア原子レベルの分解能で決定した。この研究により、TFIIEとTFIIHや、TFIIA、TFIIB、TFIIFの一部などの、これまで詳細が知られていなかったPIC構成成分の構造が得られた。複数の構造の比較により、1つの状態から次の状態への変化に伴って連続的に起こるコンホメーション変化が、転写開始過程全体を通して明らかにされた。今回の分析によって、転写バブルの安定化にTFIIBが重要な役割を果たしていることが分かり、XPBのトランスロカーゼ活性が構造面から強く裏付けられた。

