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構造生物学:アデノシンA2A Gタンパク質共役受容体のコンホメーション選択による活性化

Nature 533, 7602 doi: 10.1038/nature17668

コンホメーション選択と誘導適合の2つは、リガンドを介した受容体活性化の分子基盤を説明する機構として広く知られている。Gタンパク質共役受容体は細胞表面受容体の最大のクラスであり、重要な薬剤標的である。その活性化機構の分子レベルでの解明は、創薬や薬剤設計に非常に重要である。しかし、アゴニストの結合が活性状態の受容体を生じさせる仕組みを説明する直接的な証拠はほとんどない。今回我々は19F核磁気共鳴法を用いて、クラスAのGタンパク質共役受容体の典型的な例であるアデノシンA2A受容体(A2AR)が占めるコンホメーションの全体像について定量的に調べ、以下に示す4つの状態(S1、S2、S3およびS3′)が平衡して存在するアンサンブルを観察した。(1)ミリ秒程度で交代する2種類の不活性な状態は、膜貫通ヘリックス3と6の間に塩橋(「イオンロック(ionic lock)」として知られる)が形成された状態(S1)と、これが破断された状態(S2)に一致する。(2)2種類の活性化状態(S3とS3′)は、Gタンパク質由来ペプチドの結合により見つかったものである。最近のβ2アドレナリン受容体の研究とは対照的に、今回の方法では、A2ARの2つ目の活性化状態を突き止めることができた。インバースアゴニスト(ZM241385)を加えると、不活性状態にあるものの数が増えるが、完全アゴニスト(UK432097あるいはNECA)を加えると、コンホメーション選択に一致する様式で活性化状態S3′が安定化される。これに対して部分アゴニスト(LUF5834)とアロステリック修飾因子の1つ(HMA)は、S3状態の集団だけを増加させる。従って、この場合には受容体の部分的活性化は、1種類の活性化状態(おそらくGタンパク質との共役が弱まっていると予想される)に当たるコンホメーションだけの選択によって成り立っている。リガンド依存性Gタンパク質共役受容体のコンホメーションの平衡状態を直接観察し、受容体活性化の基盤となる機構を推論した今回の結果は、健常状態と罹患状態でのGタンパク質共役受容体の機能の解明に広く関わってくるだろう。

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