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生物工学:Bacillus thuringiensisの毒素の連続的進化で昆虫の耐性に打ち勝つ
Nature 533, 7601 doi: 10.1038/nature17938
Bacillus thuringiensisのδエンドトキシン(Bt毒素)は、遺伝子組換え作物に広く使われている殺虫性タンパク質で、農業や経済、環境に恩恵をもたらしている。しかし、昆虫でBt毒素に対する耐性が生じており、Bt毒素の長期的な有効性が危ぶまれている。今回我々は、ファージ補助型連続的進化(phage-assisted continuous evolution;PACE)選択法を使って、高親和性のタンパク質–タンパク質相互作用を急速に進化させる方法を開発し、この系をBt毒素Cry1Acに適用して、害虫であるイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)のカドヘリン様受容体(TnCAD)に結合する複数の変異型Cry1Acを進化させた。野生型のCry1Acは、本来TnCADには結合しない。生じた変異型Cry1AcはTnCADに高い親和性で結合し(解離定数Kd = 11~41 nM)、野生型Cry1Acに感受性を示さないTnCAD発現昆虫細胞を殺し、Cry1Acに耐性を持つイラクサギンウワバに対して野生型Cry1Acの最大335倍もの強力な殺虫作用を示した。これらの知見は、新規な昆虫細胞受容体に親和性を持つBt毒素を進化させることによって、昆虫のBt毒素耐性に打ち勝ち、非耐性昆虫に対する野生型Bt毒素の致死性に近い効果を実現できることを明確に示している。

