細胞生物学:細菌のエフェクターによるE1およびE2酵素に依存しないユビキチン化
Nature 533, 7601 doi: 10.1038/nature17657
ユビキチン化によるシグナル伝達は、事実上、真核生物のあらゆる細胞過程を調節している。基質へのユビキチンの共有結合は、E1、E2およびE3の3つの酵素カスケードにより触媒され、このカスケードがユビキチンのカルボキシ末端を基質の-アミノグループ(ほとんどの場合リシン)にイソペプチド結合を介して結び付ける。免疫系の調節においてユビキチン化が必須の役割を担っていることを考えると、ユビキチン化ネットワークがさまざまな感染因子にとって一般的な標的であることは意外ではない。例えば、多くの病原性細菌は、E3リガーゼや脱ユビキチン化酵素、あるいは直接的にユビキチンを攻撃する酵素として機能する毒性因子を用いて、ユビキチン化シグナル伝達を利用する。病原性細菌Legionella pneumophilaは、宿主の多様な過程を調節するおよそ300個のエフェクターを利用し、自身が複製できるニッチを食細胞内に作り出す。本研究では、L. pneumophilaのSidEエフェクターファミリーの複数のメンバーが、小胞体に結合した複数のRab低分子量GTPアーゼをユビキチン化することを示す。さらに、これらのタンパク質がE1およびE2酵素を必要とせずに、ユビキチン化を触媒できることを示す。このユビキチン化活性に重要なモノ-ADP-リボシルトランスフェラーゼと推定されるモチーフは、原生動物宿主の細胞内での細菌の複製におけるSidEファミリーの役割にも必須である。これらの酵素により触媒されるE1/E2非依存的なユビキチン化のエネルギーは、ADP-リボシル化ユビキチンの形成によりユビキチンを活性化するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドにより得られる。以上より、ユビキチン化は1つの酵素のみにより触媒され得ること、そしてその酵素の活性にはATPが必要とされないことが明らかになった。

