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遺伝子工学:CRISPR RNAと複合体を形成したCpf1の結晶構造

Nature 532, 7600 doi: 10.1038/nature17944

CRISPR–Cas系は、CRISPR–Cas9の例で分かるようにRNAに誘導されて働く適応免疫系で、細菌とアーキアでウイルス感染を防ぐのに使われている。CRISPR–Cpf1系はクラス2の新規なCRISPR–Cas系で、ヒト細胞でロバストなDNA障害を引き起こす。Cpf1とCas9の間では機能は保存されているものの、ガイドRNAや基質特異性などの多くの点で違いがある。今回我々は、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)の細菌ND2006のCpf1(LbCpf1)について、CRISPR RNA(crRNA)が結合した状態の分解能2.38 Åでの結晶構造を報告する。LbCpf1は三角形の構造を持ち、中心に正電荷を帯びた大きな通路がある。LbCpf1のオリゴヌクレオチド結合ドメインによって認識されたcrRNAは大きく湾曲したコンホメーションとなり、この構造は広範囲にわたる分子内相互作用と(Mg(H2O)62+イオンによって安定化される。またオリゴヌクレオチド結合ドメインには外側にはみ出したループ状のヘリックスドメインもあり、これがLbCpf1の基質の結合に重要である。crRNA、あるいはガイド配列のないcrRNAが結合すると、LbCpf1に顕著なコンホメーション変化が引き起こされるが、オリゴマー化は起こらない。この研究によってcrRNAの認識機構が明らかになり、crRNAに誘導されて起こるLbCpf1と基質との結合に関する手掛かりが得られ、LbCpf1を改変してゲノム編集の効率と特異性を改善するための枠組みが確立された。

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