Letter

量子物理学:光格子内で競合する短距離および長距離相互作用から生じる量子相

Nature 532, 7600 doi: 10.1038/nature17409

量子物質の複雑な現象に関しては、特に理論的な特性評価が難しい場合は、極低温原子を使うシミュレーション実験から知見を得ることができる。しかし、こうした実験の大半は短距離の衝突相互作用に限定されており、最近観測された長距離相互作用の摂動効果は弱過ぎて、新しい量子相には到達できなかった。今回我々は、短距離相互作用と長距離相互作用が競合するボソン格子モデルを実験的に実現し、4種のそれぞれ異なる量子相、すなわち、超流動体、超固体、モット絶縁体、電荷密度波の出現を観測した。今回の系は、高フィネス光共振器内の光格子に捕獲された原子量子気体に基づいている。短距離のオンサイト相互作用の強さは、光格子の深さによって制御される。長距離(無限距離)相互作用ポテンシャルは光共振器の真空モードが媒介し、共振器共鳴を調整することで独立して制御される。実時間でモット絶縁体と電荷密度波の間の相転移を調べると、1次相転移に特徴的な挙動が観測された。今回の測定は、2種類の異なる相互作用間の複雑な競合と粒子の零点運動によって物理特性が決まる、多体系の量子シミュレーションの領域に近づいた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度