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エピジェネティクス:哺乳類の胚性幹細胞のDNAにおけるN6-アデニンのメチル化

Nature 532, 7599 doi: 10.1038/nature17640

哺乳類ゲノムにおけるDNAメチル化の形態は5-メチルシトシンのみであると広く考えられてきた。今回我々は、マウス胚性幹細胞において、DNA修飾のもう1つの形態としてN6-メチルアデニンが存在することを見いだした。Alkbh1は、N6-メチルアデニンに対する脱メチル化酵素をコードしている。Alkbh1欠損細胞ではN6-メチルアデニンのレベルが上昇し、転写のサイレンシングが起こった。N6-メチルアデニンの蓄積は、LINE-1トランスポゾン(L1エレメント)の進化的年齢と反比例しており、新しい(150万年未満)L1エレメントでは非常に多いが、古い(600万年以前)L1エレメントではあまり見られなかった。N6-メチルアデニンの蓄積は、こうしたLINE-1トランスポゾンやそれらの近傍のエンハンサーおよび遺伝子のエピジェネティックなサイレンシングと関連しており、その結果、胚性幹細胞の分化の最中に遺伝子活性化シグナルに対して抵抗的に働く。新しい完全長のLINE-1トランスポゾンはX染色体に極めて多く存在することから、X染色体にある遺伝子もまたサイレンシングを受ける。従って、N6-メチルアデニンは他の生物では遺伝子活性化に関与しているが、哺乳類ではエピジェネティックなサイレンシングにおいて新たな役割を進化させたことになる。今回の結果は、N6-メチルアデニンが哺乳類ゲノムにおけるエピジェネティックな調節のレパートリーの重要な要素であることを示している。

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