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宇宙物理学:拡散したコアを伴う銀河群内にある太陽質量の170億倍のブラックホール

Nature 532, 7599 doi: 10.1038/nature17197

クエーサーは、大質量ブラックホールへの物質の降着と関連があり、降着によってエネルギーが供給されている。z = 6より大きな赤方偏移を持つ高光度クエーサーが見つかっていることから、130億年前にはすでに質量が最大で太陽の100億倍のブラックホールが存在していたと示唆されている。この種族の「活発な」ブラックホールの、現在は「休眠状態」となっていると思われるものが、しし座銀河団の中心部にあるNGC 3842とかみのけ座銀河団の中心部にあるNGC 4889に発見されている。これら2つの銀河団はいずれも最大の局所銀河構造であるグレートウォールの中心領域を形成しているが、最高光度のクエーサーは初期宇宙のこうした高密度領域に限定されているわけではない。しかし、こうした大質量の休眠状態のブラックホールは、多数の銀河からなる現在の銀河団の外側ではまだ発見されていない。本論文では、地球から64メガパーセクの距離にある銀河群の中心付近の比較的孤立した楕円銀河である銀河NGC 1600内の星の速度分布の観測について報告する。我々は、軌道の重ね合わせモデルを用いて、NGC 1600の中心にあるブラックホールの質量が太陽の170億倍であると決定した。NGC 1600の中心付近の星の空間分布は、かなり拡散している。我々は、大質量楕円銀河のコア内にある星の密度が激減した領域が、中心部のブラックホールの影響を受ける重力圏と同じ半径に広がっていることを見いだし、これがブラックホールの力学的な痕跡であると解釈する。

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