Letter

神経科学:視覚野興奮性ネットワークの解剖学的構造と機能

Nature 532, 7599 doi: 10.1038/nature17192

大脳皮質の回路は、数百万個のシナプスによって結合されている数千個のニューロンから成り立っている。こうした局所ネットワークを正確に理解するには、回路活動と基礎となるネットワーク構造とを関連付けなくてはならない。マウスの視覚野(V1)浅層の錐体細胞については、類似した応答特性を持つニューロン同士が互いを興奮させ合っているという共通理解が生まれつつあるが、この反回性シナプスネットワークの解剖学的基盤は明らかではない。今回、生理学的画像化法と大規模電子顕微鏡法とを組み合わせて、V1の興奮性ネットワークの1つを解析した。その結果、2/3層のニューロンは、解剖学的結合性により識別可能なサブネットワークを構成し、外部のグループとよりも内部で多く結合し合っていることが分かった。より具体的には、全ての方位選択性細胞の軸索と樹状突起は、互いに5 μm以内の近さで行き交い、結合を作る確率はほぼ同等であるにもかかわらず、類似した方位選択性を持つ錐体細胞同士は優先的にシナプスを形成していた。従って、機能的に特異的な結合は樹状突起棘の長さスケールで起こるという機構が予測される。また、類似した方位同調性を持つニューロン間では大きなシナプスが形成され、シナプス特異性の正味の影響を高めている可能性がある。1つの回路内の数千の結合を調べられる機能的コネクトミクスは、皮質ネットワークの構成ロジックを明らかにする強力な方法となるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度