量子情報:ダイヤモンド中の単一キュービットのコヒーレントフィードバック制御
Nature 532, 7597 doi: 10.1038/nature17404
環境の悪影響を受けているキュービットで所望の演算を実行することは、量子情報処理、量子シミュレーション、量子センシングにおける極めて重要な課題である。最もよく行われる方法は、開ループ量子制御法に立脚しており、これには、解析解や数値解に基づく最適制御アルゴリズム、リアプノフ設計、ハミルトニアンエンジニアリングがある。古典制御の成功に触発されたもう1つの戦略が、フィードバック制御である。量子測定によって複雑性が導入されるため、閉ループ制御は量子的な状況ではあまり使われておらず、いくつかの例外を除いて、その実験実装は主に量子光学実験に限定されていた。本論文では、ダイヤモンドの窒素空孔中心に関連する固体スピンキュービット系を使ってフィードバック制御アルゴリズムを実装し、コヒーレントフィードバックを使って測定に基づくフィードバックの限界を克服して、このアルゴリズムが、固有のデフェージング雑音からキュービットを数ミリ秒間保護できることを示す。コヒーレントフィードバックでは、量子系は補助的な量子制御器(アンシラ)と接続されており、アンシラは、量子系の出力状態に関する情報をエンタングリング操作によって獲得し、条件付きゲートによって適切なフィードバック作用を行う。開ループの動的デカップリング法とは対照的に、フィードバック制御は、ゲート操作を可能にすると同時に、アンシラのコヒーレンス時間にのみ制限される任意の期間マルコフ雑音からもキュービットを保護できる。このようにフィードバック制御は量子誤り訂正スキームとより深く関連しているが、これらのスキームには、さらに大きな、増加するキュービットオーバーヘッドが必要となる。未使用のアンシラの数が増えると、それらのコヒーレンス時間を越えて保護できるようになる。さらに我々は、フィードバックアルゴリズムの後でアンシラ–キュービット相関を測定すると、そのダイナミクスの残りが変化しなくても保護が無効になるので、情報の獲得とデコヒーレンスからの保護のトレードオフを調べることによって、量子計算や量子センシングに応用できる可能性があるフィードバックプロトコルのロバスト性を評価している。

