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化学:(+)-ホルボールの19ステップ全合成

Nature 532, 7597 doi: 10.1038/nature17153

チグリアンジテルペン類の最重要化合物であるホルボールは、80年以上も前から知られており、興味深い化学構造を採ることやホルボールエステルが医薬となる可能性があることから多くの化学者や生物学者の関心を集めてきた。これまで、有効な量のホルボールと関連類似体の入手方法は、天然物からの単離や半合成に頼るものであった。ホルボールは複雑で酸素原子の配置が普通とは異なるため、40年にわたる取り組みにもかかわらず、化学合成はこれらの方法に太刀打ちできていない。純粋な合成法によるエナンチオピュアなホルボールはまだ得られておらず、生物学的合成でもチグリアンジテルペン類の最も単純な化合物ですら得られていない。最近、オイデスマン、ゲルマクレン、タキサン、インゲナンの化学合成が全て、強力なC–C結合の構築とC–H結合の酸化が関連して進む二段階テルペン生合成の論理に着想を得た戦略の恩恵を受けて成功した。今回我々は、二段階テルペン合成戦略を実施して、豊富なモノテルペン(+)-3-カレンからわずか19ステップで(+)-ホルボールのエナンチオ特異的な全合成を実現した。この合成ルートの目的は、(+)-ホルボールそのものを得る手段として単離や半合成を置き換えることではなく、他の方法では得られない独特な酸素原子配置を持つ類似体の入手を可能にすることである。

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