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構造生物学:SecYタンパク質の基質でふさがった膜透過チャネルの結晶構造

Nature 531, 7594 doi: 10.1038/nature17163

疎水性のシグナル配列は、分泌されるポリペプチドをヘテロ三量体である膜タンパク質複合体によって作られているタンパク質膜透過チャネルへと誘導する。このような透過チャネルは原核細胞ではSecY複合体、真核細胞ではSec61複合体である。シグナル配列が認識される仕組みはほとんど解明されていないが、その大きな原因はアミノ酸配列や長さが多様なことである。不活性なチャネルの構造からは、最も大きなサブユニットであるSecY、あるいはSec61αは2つのじょうご型部分からなり、それらが合わさって、膜の中央に当たる箇所が細くくびれた砂時計型の小孔を形成していて、膜中心に近いところに脂質に面する側方ゲートがある。細胞質側に開いているじょうご部分は空だが、細胞外に面しているじょうご部分はプラグ(栓)ドメインでふさがれている。細菌では、SecYチャネルは翻訳と同時にペプチドが透過される際にはリボゾームと結合しているが、翻訳後に透過される場合にはSecA ATPアーゼと結合している。透過中のポリペプチドがチャネルに挿入される仕組みはよく分かっていない。それは、活性なチャネルの低温電子顕微鏡構造が比較的低分解能(約10 Å)だったり、質が不十分であったりするためである。今回我々は、SecY複合体、SecA ATPアーゼ、それにSecAに融合した分泌タンパク質の一部からなる活性なチャネルの結晶構造を報告する。透過中のタンパク質はループ状になって、プラグドメインに置き換わってチャネルに入り込んでいる。シグナル配列の疎水性の中心部はヘリックスを形成し、これは側方ゲートの外の溝内に位置しているが、シグナル配列に続くポリペプチド部分はゲートに挿入されている。ポリペプチドループのカルボキシ(C)末端部分はチャネル内にあって、小孔内表面に環状に並ぶ残基に囲まれている。従って、透過中にはシグナル配列の疎水領域に加えて、おそらくは新生膜タンパク質の膜二重層を貫通するドメインが側方ゲートから出て、脂質相に面する特異的な部位へつなぎ止められるのだろう。

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