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素粒子宇宙物理学:マイクロクエーサーであるはくちょう座V404星のアウトバーストに関連する陽電子消滅の痕跡
Nature 531, 7594 doi: 10.1038/nature16978
マイクロクエーサーは、伴星から物質を降着させ、ほぼ光速でプラズマのジェットを放出している恒星質量ブラックホールであり、太陽の106~1010倍の質量の超大質量ブラックホールを持つクエーサーに似た天体である。マイクロクエーサーにおける降着は、クエーサーよりもかなり短い時間スケールで変動し、時として非常に明るいX線フレアを生じる。フレアがどのように生じるのかよく分かっておらず、相対論的なジェットが放出される仕組みや、そうしたジェットの組成も明らかになっていない。マイクロクエーサーの放射スペクトルでは、長年にわたり、予測されている電子・陽電子プラズマの証拠として511 keV付近の輝線の探索が続けられている。2つの天体で一過性の高エネルギースペクトルの特性が報告されているが、それらが陽電子によるものだとする解釈には決着が付いていない。本論文では、最近の強いフレア活動期における、マイクロクエーサーであるはくちょう座V404星からのγ線放射の観測について報告する。511 keV近辺の放射スペクトルは、変動する陽電子消滅の明確な特徴を示し、高い陽電子生成率を示唆している。このことは、マイクロクエーサーが電子・陽電子プラズマの主な発生源であり、このプラズマが銀河系のバルジ領域での対消滅γ線の明るい拡散放射の原因である可能性があるとする、これまでの推測を裏付けるものである。さらに、マイクロクエーサーは、銀河系内域に観測されるメガ電子ボルトの連続成分の超過の原因となっている可能性がある。

