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構造生物学:セルロースの生合成と膜透過をin crystalloで観察
Nature 531, 7594 doi: 10.1038/nature16966
多糖類をはじめ多くの生体高分子は、生物学的機能を果たす場所に到達するために、膜を少なくとも1回は透過しなければならない。セルロースはグルコースが直鎖状に連なった重合体であり、膜内在性セルロースシンターゼによって合成され、分泌される。今回我々は、触媒活性を持つ細菌セルロースシンターゼBcsA–BcsB複合体について、結晶中で酵素を解析するin crystallo酵素学の手法を用い、完全なセルロース生合成サイクル(基質の結合から重合体の透過まで)のいくつかの段階におけるその構造を明らかにした。基質と結合したBcsAや産物と結合したBcsAの構造から基質認識の基盤が明らかになり、セルロースが段階的に伸長することが分かった。さらにこれらの構造から、BcsAはセルロースをラチェット機構で膜透過させ、それにはセルロース末端のグルコースと接触する「フィンガーヘリックス」が関わっていることが分かった。このフィンガーヘリックスは、BcsAのゲートループと協調して、基質が結合すると「上へ」、セルロースが伸長すると「下へ」動くことで、伸長したセルロースをBcsAの膜貫通チャネルへと送り込む。この機構の存在は、BcsAのフィンガーヘリックスを動かないよう固定する実験で、重合体の透過は阻害されたが伸長は阻害されなかったことで確かめられた。

