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量子物理学:カオス的な励起子ポラリトンビリヤードにおける非エルミート縮退の観測

Nature 526, 7574 doi: 10.1038/nature15522

励起子ポラリトンは光と物質のハイブリッド準粒子であり、半導体微小共振器において光子と励起子(電子–正孔対)が強く相互作用して形成される。励起子ポラリトンは、次世代オプトエレクトロニクス用途や量子多体物理の基礎研究のロバストな固体プラットフォームとなっている。重要なことは、励起子ポラリトンは大きく開いた(つまり非エルミート的な)量子系であり、エネルギーポンピングが絶えず必要で、絶え間なく崩壊してコヒーレント放射を放出することである。従って、励起子ポラリトンは常に、利得と損失が釣り合ったポテンシャルランドスケープに存在する。しかし、このポテンシャルに固有の非エルミート性は、これまで励起子ポラリトン物理ではほとんど無視されていた。本論文では、非エルミート性によって、励起子ポラリトン系のモード構造とスペクトル縮退が著しく変化するため、量子輸送、局在性、動力学的特性が影響を受けることを実証する。我々は、空間的に構造化した光ポンプを使って、カオス的な励起子ポラリトンビリヤード(湾曲したポテンシャル障壁に囲まれた二次元領域)を作った。このビリヤードの固有モードは、除外点と呼ばれる、複数の非エルミート的なスペクトル縮退を示す。こうした除外点は、一方向性輸送、異常なレーザー発振と吸収、キラルモードなどの注目すべき波動現象をもたらすことがある。ビリヤードのパラメーターを変えると、エネルギー準位の交差や反交差が観測され、非エルミート系でしか見られない非自明なトポロジカルモード構造が明らかになった。また、この除外点を囲むパラメーターループに対してモードスイッチングとトポロジカルベリー位相も観測された。今回の知見によって、励起子ポラリトンの非エルミート量子動力学の研究への道が開かれ、ポラリトンを使ったデバイスの新しい動作原理が見いだされる可能性がある。

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