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遺伝学:m6A mRNAの動的メチル化は熱ショック応答の翻訳制御を方向付ける

Nature 526, 7574 doi: 10.1038/nature15377

mRNAの転写後修飾で最も豊富に見られるものはN6-メチルアデノシン(m6A)であり、これはRNAの生物学的性質に広範な役割を担っている。哺乳類細胞では、m6AのmRNAに沿った分布は非対称的で、5′非翻訳領域(5′UTR)では他の領域と比べてメチル化が比較的少なくなっている。しかし、5′UTRのメチル化が調節を受けているのかどうか、また調節を受けているとしたらどのような仕組みによっているのかはほとんど解明されていない。5′UTRは翻訳開始に非常に重要な役割を担っているにもかかわらず、m6A修飾がmRNAの翻訳に影響を与えるかどうかについてはほとんど分かっていない。今回我々は、新たに転写されたmRNAの5′UTR内のアデノシンの一部が、熱ショックストレスに応じて選択的にメチル化されることを示す。5′UTRの動的なメチル化は、性質がよく調べられているm6A「読み取り因子」であるYTHDF2がストレスに誘発されて核に局在したためであることが分かった。核のYTHDF2は、熱ショックストレスを受けるとm6A「消去因子」であるFTOによる脱メチル化の制限によってストレス誘導性転写産物の5′UTRメチル化状態を保存する。注目すべきことに、m6A型での5′UTRのメチル化の増加はキャップ非依存的な翻訳開始を促進するので、これは熱ショックストレス下での選択的なmRNA翻訳機構となる。一例としてHsp70 mRNAを用いて、5′UTR中の単一のm6A修飾部位により、5′末端のN7-メチルグアノシンキャップに非依存的な翻訳が開始できることを我々は実証した。5′UTRメチル化の動的性質とそのキャップ非依存的翻訳における非常に重要な役割を解明したことは、m6Aの生理的役割を拡張するだけでなく、熱ショック応答でこれまで見つかっていなかった翻訳制御機構も明らかにしている。

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