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構造生物学:低温電子顕微鏡により明らかになったグリシン受容体の作動機序

Nature 526, 7572 doi: 10.1038/nature14853

ストリキニーネ感受性グリシン受容体(GlyR)は脊髄や脳幹での抑制性神経伝達を仲介し、自閉症やびっくり病などの神経障害に関係している。GlyR群の分子機構や薬理学的性質の解明は、高分解能構造がないことで妨げられてきた。今回我々は、ゼブラフィッシュ由来α1 GlyRがストリキニーネ、グリシン、またはグリシンとイベルメクチン(グリシン/イベルメクチン)と結合した状態の低温電子顕微鏡構造を報告する。ストリキニーネは受容体をアンタゴニストが結合した閉じたイオンチャネル状態に停止させ、グリシンは受容体をアゴニストが結合した開いたチャネル状態に安定化し、グリシン/イベルメクチン複合体はチャネルを脱感作あるいは部分的に開いた状態にする。グリシン結合状態と比べて、ストリキニーネはCループの外向き移動によりアゴニスト結合ポケットを拡大し、細胞外ドメインと膜貫通ドメインをつなげる「手首」に当たる界面の再配置を促進し、これが膜貫通ドメインを小孔の軸方向へ回転させて、イオン輸送経路が閉じるようになる。これらの構造はGlyRの作動機序を明らかにしており、システイン(Cys)ループ型受容体群の構造を解釈する際の考え方をはっきりさせている。

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