宇宙物理学:10億年に及ぶガスの落下による明るいサブミリ波銀河の形成
Nature 525, 7570 doi: 10.1038/nature15383
高赤方偏移に位置する明るいサブミリ波銀河は、宇宙で最も明るく、活発な星形成銀河であり、遠赤外線の膨大な放射に特徴があって、850 μmの波長で少なくとも5ミリジャンスキーのフラックスを示す。こうした銀河は、太陽の約1013倍の質量のハローの中にあり、同程度の赤方偏移の主系列星の円盤に比べてガスの割合が小さく、複雑な環境をたどり、可視光領域では容易に観測できない。それらの物理学的な起源は、まだよく分かっていない。シミュレーションによって、必要な光度を持つ銀河を形成できるようになったものの、星の質量や星形成率、ガスの割合、環境を同時に合致させることはできていない。本論文では、観測されるさまざまな物理学的制約を同時に満足するサブミリ波銀河を形成できる、宇宙論的な流体力学的銀河形成シミュレーションについて報告する。大質量の暗黒物質ハロー内に存在する銀河の集団では星形成率が高まっていて、全体の星形成率は赤方偏移2~3の時期に1年当たり太陽質量のおよそ500~1000倍でピークとなり、この時期までに星間物質の金属量が十分多くなることで、サブミリメートル波長で選択された系としてこの領域が観測される可能性があることを、我々は見いだした。高い星形成率の一部は、銀河の合体を通してではなく、星からの初期のフィードバックによって供給されるようになったリザーバーガスの落下に支えられている。今回のシミュレーションから、高赤方偏移に位置する明るいサブミリ波銀河の寿命が10億年近いこと、こうした銀河ではサブミリメートル波長での明るい段階が長く続いており、初期宇宙の原始的な銀河団における著しい質量の増大に関連していること、さらに明るいサブミリ波銀河の多くが、多数の解像されていない要素(これらについてはいくつかの観測事実が存在する)で構成されていることが示された。

