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合成:敏感な試薬をカプセル化して投入することで合成にグローブボックスが不要になる
Nature 524, 7564 doi: 10.1038/nature14654
現代の有機化学では、材料科学や、医薬品、農薬、センサーに応用される分子が、さまざまな触媒法や化学量論的方法を用いて構築されている。しかし、グローブボックスに頼って空気や湿気に敏感な試薬や触媒を使用する場合、合成方法の実用性は大幅に低下する可能性がある。さらに、多くの合成化学実験室には、周囲の空気に触れて変質した使いかけの試薬の入った容器が数多く置かれている。この状況は、環境面から見てもコスト面から見ても非常に無駄である。今回我々は、空気や湿気に敏感な化合物の安定化と保管を目的としたカプセル化法について報告する。我々は、この方法を3つの状況下で実証した。炭素–フッ素結合、炭素–窒素結合、炭素–炭素結合を形成する、グローブボックスを用いないパラジウム触媒反応に必要な試薬(触媒、配位子、塩基)を全て封入した使い捨てカプセルについて説明する。この方法を利用すれば、そうした合成に必要な面倒で誤差が多く時間のかかる計量手順が減るはずである。また、この方法は、さまざまな試薬、触媒、基質の組み合わせに適用できると思われる。

