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がん:小細胞肺がんの包括的なゲノムプロファイル

Nature 524, 7563 doi: 10.1038/nature14664

今回我々は、最も致死性の高いヒトがんの1つである小細胞肺がん(SCLC)110例の全ゲノムにわたる塩基配列の解読を行った。解析したほぼ全ての腫瘍において、TP53およびRB1の両対立遺伝子の不活性化が引き起こされていることが分かり、それらは時として複雑なゲノム再構成によるものだった。RB1が野生型の腫瘍2例では、サイクリンD1(CCND1遺伝子にコードされる)の過剰発現をもたらすクロモスリプシス(染色体粉砕)の証拠が見られたことから、Rb1の脱調節を引き起こす別の機構も存在することが明らかになった。このように、腫瘍抑制因子であるTP53RB1の欠損はSCLCにとって必須のものである。一方、TP73の体細胞性のゲノム再構成によって、発がん型のTP73TP73Δex2/3)が作り出されることが分かった。また、SCLC腫瘍では、まれにキナーゼ遺伝子の変異が見られることから、それらの患者には治療の機会を提供できる可能性がある。最後の点として、ヒトSCLCの25%にNOTCHファミリー遺伝子の不活性化変異が観察された。それに合致して、前臨床SCLCマウスモデルにおいては、Notchシグナル伝達の活性化により、変異マウスの腫瘍の数が顕著に減少し、生存が延長した。さらに、SCLC細胞においてはNotch活性により神経内分泌遺伝子の発現が消失した。今回初めて行われたSCLCの包括的な体細胞ゲノム変化の研究により、この致死性の高いがん種におけるいくつかの重要な生物学的過程が明らかになり、また、治療標的の候補が突き止められた。

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