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構造生物学:HipBA–プロモーター複合体の構造から明らかになった遺伝性多剤耐性の基盤

Nature 524, 7563 doi: 10.1038/nature14662

多剤耐性は慢性感染の主要な原因であり、持続生残菌と呼ばれる休眠細胞の小集団によって引き起こされる。多剤耐性と遺伝性との結び付きは、抗生物質の存在下で生存できる菌の選択により、初めて明らかになった。それが大腸菌(Escherichia coli)のhipA遺伝子座に生じた変異である。HipAはセリンプロテインキナーゼであり、その多剤耐性活性は転写調節因子HipBとhipBAプロモーターに結合することにより中和される。しかし、多剤耐性におけるHipAの生理的役割は、まだ解明されていない。今回我々は、野生型HipAが持続生残菌形成に関わっていること、またこのような生残菌の出現頻度を高める(high-persister)hipA変異体が尿路感染症で多剤耐性の原因となっていることを示す。ややこしいが、このhigh-persister変異はHipAのN-サブドメイン1に位置し、活性部位からは遠く離れている。HipA–HipB–プロモーター高次複合体の構造から、HipAはこの集合体中でN-サブドメイン1同士の相互作用を介して二量体を形成し、それによって活性部位が塞がれていることが分かった。つまり、high-persister変異はHipA–HipA二量体の形成を抑制し、HipAを解放することによって多剤耐性を生じさせる。このように、今回の研究によって臨床的に重要な遺伝性の抗生物質耐性が生じる仕組みの基盤が明らかになった。

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