Letter
有機化学:ニッケル触媒を用いたアミドC–N結合の活性化によるアミドからエステルへの変換
Nature 524, 7563 doi: 10.1038/nature14615
アミドは1世紀以上にわたって研究されてきた一般的な官能基である。アミドは、タンパク質の重要な構成要素であり、他のさまざまな天然化合物や合成化合物中にも存在する。アミドは、求電子剤としてはあまり有効でないことが知られている。これは、アミド結合の共鳴安定性に起因すると一般的には考えられている。アミドの開裂はプロテアーゼなどの酵素によって容易に起こるが、合成化学的手法を用いてアミドの炭素–窒素結合を選択的に切断することは難しい。今回我々は、ニッケル触媒を使ってアミドの炭素–窒素結合の活性化と開裂が可能であることを実証する。我々は、この方法を用いてアミドをエステルに変換している。アミドからエステルへの変換は難しく、十分に開発されていない。しかし、今回の反応方法を用いると、極めて温和な反応条件下で反応が進行し、過剰なアルコール求核剤を使用しなくて済む。密度汎関数理論計算によって、アミドからエステルへの変換の熱力学や触媒サイクルに関する知見が得られた。今回の結果は、アミド官能基を化学合成用の構成要素として用いる方法を提示するものであり、非貴金属触媒を用いた炭素–ヘテロ原子結合や炭素–炭素結合の構築におけるアミドの利用促進につながると予想される。

