エボラウイルス:シエラレオネにおけるエボラウイルスの遺伝的多様性と進化動態
Nature 524, 7563 doi: 10.1038/nature14490
2014年3月に初めて同定された新規のエボラウイルス(EBOV)は、西アフリカでこれまで2万5000人以上に感染し、1万人以上の死者を出している。2014年3月から6月までにギニアとシエラレオネで採集された81例のEBOVゲノム塩基配列についての予備的解析から、2014年のEBOVは、その自然宿主からの独立した1回の伝播事象が起源であり、その後ヒトからヒトへの感染が持続したと考えられている。EBOVゲノムの変動は塩基配列に基づくウイルス検出や治療法候補の有効性に影響を与える可能性があると報告されている。しかし、今回の大発生が急速拡大期に入った2014年7月以降、利用できるウイルス情報は非常に限られている。今回我々は、シエラレオネの発生が深刻な5つの地区で2014年の9月28日から11月11日までに得られた175例の完全長EBOVゲノム塩基配列について報告する。2014年のEBOVは、2014年7月から11月にかけて系統発生学的にも遺伝学的にも多様性を増し、多数の新規系統の出現という特徴が見られることが分かった。2014年のEBOVの塩基置換速度は年当たり部位当たり1.23 × 10−3と見積もられ(95%最高事後密度区間、年当たり部位当たり1.04 × 10−3から1.41 × 10−3塩基置換)、これは過去の複数のEBOV大発生で見られた塩基置換速度に近かった。2014年のEBOVでは遺伝的多様性が激増しているので、現在進行中の大発生でウイルスの進化やその伝播動態をより深く理解するために、シエラレオネ、ギニアおよびリベリアでEBOVの大規模な監視を行う必要がある。これらのデータは、ワクチンや治療法を開発するための国際的な取り組みに役立つだろう。

