Letter
惑星科学:プラズマ圏ヒスから生じる放射線帯電子消失の全球スケールのコヒーレンス変調
Nature 523, 7559 doi: 10.1038/nature14515
40年以上前に、地球半径の4~5倍の範囲内にあるプラズマ圏と呼ばれるプラズマの高密度領域と重なっている放射線帯における電子消失は、プラズマ圏ヒスと呼ばれる電磁プラズマ波との相互作用から主に生じていると提案された。この相互作用は、磁気嵐の際の放射線帯の変化に強い影響を及ぼし、数時間から数日にわたって放射線帯の構造が嵐の前の「静的な」状況に戻るのを助けている。観測結果からは、長期的な電子消失率がこの理論と一致することが示されているが、消失過程の時間的・空間的ダイナミクスはまだ直接検証されていない。本論文では、構造化された放射線帯の電子消失と、消失を引き起こすヒス現象の同時測定について報告する。消失は、ヒス散乱電子が放射線帯から放出された後に地球大気と衝突して生じる制動X線の形で観測された。今回の結果は、ヒスに起因する電子消失のダイナミクスは、1~20分という短い時間スケールで最大一桁変化しており、プラズマ密度と磁場の変調に関連していることを示している。さらに、こうした消失のダイナミクスは、プラズマ圏サイズの空間スケールで、ヒスのダイナミクスとコヒーレントである。このほぼ全球スケールのコヒーレンスは今まで予想されなかったもので、活動期間における放射線帯の短期的な変化に影響を及ぼしている可能性がある。

