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がん:METは抗腫瘍性好中球の補充に必要である

Nature 522, 7556 doi: 10.1038/nature14407

がん原遺伝子METの変異や増幅は複数種の腫瘍の発生に関連しており、腫瘍の増殖と生存はこの経路の構成的な働きに依存している。しかし、METはがん細胞だけでなく腫瘍関連間質細胞でも発現されるが、この細胞でMETがどんな役割を持つのかは正確には分かっていない。本研究では、好中球がそのリガンドである肝細胞増殖因子(HGF)に応じて示す化学誘引性と細胞毒性にMETが必要であることを示す。マウスの好中球でMetを欠失させると、腫瘍増殖と転移が亢進する。この表現型は、原発腫瘍と転移巣の両方で見られる好中球の浸潤減少と相関している。同様に、Metは大腸炎や発疹、腹膜炎の際の好中球の浸潤に必要とされる。機構としては、Metは腫瘍から分泌される腫瘍壊死因子(TNF)-αなどの炎症性刺激により誘導され、これはマウスとヒトの好中球の両方で見られる。Metの誘導は、好中球の活性化内皮を横断しての移動や、HGF刺激に応じて起こる誘導型一酸化窒素合成酵素産生を助ける。その結果として起こる、好中球によるHGF/MET依存的な一酸化窒素放出はがん細胞の殺傷を促進し、腫瘍増殖と転移を抑える。METキナーゼ阻害剤の全身投与の後には、がん細胞のMETを標的とした治療の効果が、好中球でのMET阻害によって生じる腫瘍促進的な影響により、部分的に打ち消されることが分かった。我々の研究は、好中球でのMETのこれまで知られていなかった役割を明らかにしており、がんでのMETを標的とした治療の「アキレスのかかと」のような弱点となり得る箇所を示唆していて、一部の炎症性疾患での抗MET薬の効果を評価する際の論理的根拠を裏付けている。

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