Letter

細胞生物学:ESCRT-IIIは核膜の再形成を制御する

Nature 522, 7555 doi: 10.1038/nature14503

細胞分裂の終期には、核と細胞質にそれぞれ含まれる物質の適切な分離を確保するために、娘核の周囲には核膜が再形成される。核膜の再形成には小胞体に由来する膜によるクロマチンの被覆と、それに続いて起こる膜の環状融合が必要で、これによって再形成後の核膜が確実に閉じる。環状融合が達成される仕組みは不明であるがp97 AAA-ATPアーゼ複合体が関与していると考えられており、細胞質分裂の切断期に起こる膜融合事象とトポロジー的な類似性が見られる。今回我々は、ヒト細胞で形成されつつある核膜の環状融合部位にはESCRT-III(endosomal sorting complex required for transport-III)装置が局在し、これが有糸分裂後の核と細胞質の適切な区画化に必要であることを示す。ESCRT-IIIの構成要素であるCHMP2A(charged multivesicular body protein 2A)はCHMP4Bとの結合を介して核膜形成部位に送り込まれ、核膜の再形成に必須の活性を発揮する。局在にはp97複合体の構成要素であるUFD1(ubiquitin fusion and degradation 1)も必要である。我々の結果は、細胞分裂におけるESCRT装置の新たな役割を明らかにし、有糸分裂の際に膜で起こるトポロジー的に同等な再構築事象に関与する装置が保存されていることを実証している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度