材料科学:可視光周波数で機能するハイパボリックメタ表面
Nature 522, 7555 doi: 10.1038/nature14477
メタマテリアルは、サブ波長の金属構成要素や誘電体構成要素からなる人工の光学媒質であり、天然物質では見られない光学現象を特徴とする。メタマテリアルは、通常とは異なる方式で光の流れを操る特異な光学デバイスの基盤となり得るが、三次元メタマテリアルの伝搬損失は極めて大きい。しかし、この問題は、表面プラズモンポラリトンを伝搬させるハイパボリックメタ表面などの二次元メタマテリアルによって軽減される可能性がある。表面プラズモンポラリトンは、金属構成要素を通り抜けるのではなく、金属と誘電体の界面で誘導されるため、こうしたハイパボリックメタ表面は、三次元メタマテリアルと同様の光学現象を示しながらも、伝搬損失がはるかに小さくなると予測されてきた。さらに、こうしたデバイスは平面的な性質を持つため、他のオプトエレクトロニクス素子と容易に結合できるばかりでなく、メタマテリアル集積回路の構築も可能にする。今回我々は、リソグラフィー法とエッチング法で形成された単結晶銀ナノ構造体を用いて、可視光周波数ハイパボリックメタ表面を実験的に実現したことを報告する。作製したデバイスは、負の屈折や非回折性伝搬など、メタマテリアルに特徴的な特性を示し、デバイス性能は、これまでの実証結果を大きく上回った。さらに、ハイパボリックメタ表面は、分散に依存する強いスピン軌道結合を示すため、表面プラズモンポラリトンの偏光依存ルーティングや波長依存ルーティングの実現、そして二次元カイラル光学部品の実現を可能にする。こうした結果は、撮像やセンシングから量子光学や量子情報科学までさまざまな分野で幅広く応用される光集積メタ回路の実現に向けて道を開くものである。

