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生物海洋学:汎存植物プランクトンとそれらと共存する細菌の間の相互作用とシグナル伝達

Nature 522, 7554 doi: 10.1038/nature14488

一次生産者と細菌との間の相互作用は、関わる両方の生理に影響を与え、さらに周囲の環境の化学的性質を変え、生態系の多様性を形作る。海洋生態系では、主要な光合成生物が顕微鏡でしか見えないほど小さい単細胞の植物プランクトンであることなどのために、こうした相互作用の研究は難しい。沿岸部の植物プランクトン群集では、海洋の一次生産の約40%を生み出し、多くの海洋食物網の基盤となっている珪藻が多数を占めている。珪藻は特定の細菌タクソンと共存しているが、そこに存在すると考えられる相互作用の機序はほとんど明らかにされていない。今回我々は、全球的に分布している珪藻と連関している細菌コンソーシアを解きほぐし、Sulfitobacter sp.が、植物ホルモンであるインドール-3-酢酸の分泌を介して珪藻の細胞分裂を促進していること、このホルモンは珪藻の分泌したトリプトファンと細菌に内在するトリプトファンの両方を使って細菌によって合成されることを見いだした。インドール-3-酢酸およびトリプトファンは、シグナル伝達物質として働いていて、これは珪藻が排出した有機硫黄分子や細菌が排出したアンモニアなどの栄養の複雑な交換の一部である。メタボローム解析やメタトランスクリプトーム解析からは、インドール-3-酢酸がSulfitobacterに近縁の細菌によって広く産生されていて、特に沿岸環境でそれが顕著なことが明らかになり、この結果によって、海洋にこのシグナル伝達モデルが広く存在する可能性が裏付けられた。我々の研究は、海洋微生物群集は緊密に結び付いたネットワークの一部であるという新たな考え方を、このような相互作用が情報化学物質の産生と交換を介して行われていることを実証することで、さらに敷衍するものである。

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