Letter

幹細胞:ニッチが誘導する細胞死と上皮のファゴサイトーシスは毛包幹細胞プールを調節する

Nature 522, 7554 doi: 10.1038/nature14306

組織の恒常性は細胞の産生(増殖)と除去(退縮)のバランスを介して達成される。組織の増殖とは対照的に、組織の退縮に必要な細胞や分子シグナルは解明されていない。我々はマウス毛包を用いて、生理的な組織退縮を調べた。毛包では、増殖段階と退縮段階が定型的に循環する一方で、幹細胞プールは維持され、組織再生が持続する。今回我々は、生きたマウスで生体顕微鏡法を用い、2つの別個の機構[基底上細胞(suprabasal cell)の終末分化、およびアポトーシスの起こりやすさが細胞の空間的位置によって異なること]により上皮細胞の大部分が退縮段階で除去されることを示す。さらに、基底上皮細胞がまとまってファゴサイトとして機能し、隣接する死にかけた上皮細胞を除去することを実証する。細胞除去および遺伝的除去により、上皮細胞死はトランスフォーミング増殖因子(TGF)-βの活性化および間葉とのクロストークによって外因的に誘導されることが分かった。退縮の抑制により再生能を持つ基底上皮細胞が過剰に存在するようになるため、退縮は幹細胞プールを減少させるように機能することが分かったのは重要である。この研究は、組織の恒常性を維持するために増殖に拮抗する、退縮の細胞挙動や分子機構を明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度