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古生物学:対をなすフラップを有する巨大な濾過摂食性アノマロカリスによって明らかになったアノマロカリス類の胴部付属肢の相同性

Nature 522, 7554 doi: 10.1038/nature14256

古生代の保存状態が極めて良好な化石からは節足動物の進化に関する重要な手掛かりが得られ、最近の発見によって系統発生や形質相同性の詳細な解明が進んでいる。節足動物進化の研究に欠かせないアノマロカリス類はステム節足動物のクレードの1つであり、その特殊な形態は初期の節足動物の類縁関係やカンブリア紀の生態学の解明に役立つ。近年の研究でアノマロカリス類の頭部が注目されているが、胴部の性質についても幅広く議論されている。本論文では、モロッコの前期オルドビス紀のFezouata生物相で見つかった新たなアノマロカリス類の化石標本について報告する。これらの標本は、頭部付属肢の保存状態が良好で重要な生態学的データが得られるだけでなく、アノマロカリス類の胴部にあるひれ状構造(フラップ)の性質も明瞭に示しており、これらのフラップと節足動物の胴部付属肢との相同性を明らかにしている。今回の新たな標本には、胴部の各体節の背側および腹側に別個の対をなすフラップが認められ、背側フラップの基部には一連の剛毛ブレード(setal blade)が付属している。他のステム系統節足動物との比較解析の結果、アノマロカリス類の腹側フラップは葉足状の歩行用付属肢や真節足動物の二枝型付属肢の内肢と相同だが、背側フラップおよび付属する剛毛ブレードは、鰓のある葉足動物(Kerygmachela kierkegaardiPambdelurion whittingtoniなど)のフラップや「カンブリア二枝型付属肢」の外突起と相同であることが示唆された。この証拠は、アノマロカリス類が、外突起と内肢が融合して「カンブリア二枝型付属肢」になる前の段階にあることを示しており、節足動物クラウン群の中やCycloneuraliaの蠕虫状動物の近くではなく真節足動物ステム系統の基部に位置付けられることを裏付けている。Fezouataタクソンは他のアノマロカリス類と違って、濾過摂食に収斂的に適応した頭部付属肢と2 m以上という前例がないほどの体長を兼ね備えており、このクレードの摂食生態学の新たな方向性を示している。巨大な濾過摂食性アノマロカリス類の進化は、「オルドビス紀の生物大放散事象(Great Ordovician Biodiversification Event)」に際して高度に発達した浮遊生態系が確立されたことを反映したものだと考えられる。

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