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古生物学:古代のタンパク質からダーウィンの南米有蹄類の進化史が明らかになる

Nature 522, 7554 doi: 10.1038/nature14249

最近絶滅した有胎盤哺乳類の大規模分類群の中で、「南米固有有蹄類(South American native ungulates)」としてひとまとめにされている約280属の有蹄類ほど、進化的な謎が多く残されたものはない。この南米有蹄類の化石を初めて収集したのはチャールズ・ダーウィンで、そのいくつかは彼にとって、おそらく「これまで見つかった中で最も奇妙な動物」だった。180年たった現在も状況はほとんど変わっておらず、南米有蹄類の起源が1つなのか複数なのか、6620万年前の白亜紀/古第三紀境界よりも前に生じたのか後に生じたのか、また、ウシやウマなどといったローラシア獣上目の真有蹄類(Euungulata)ではなく長鼻類や海牛類と共にアフリカ獣上目に属する可能性が高いのかどうかについて、何も明らかになっていない。互いに近縁でない有蹄類様の有胎盤類の間で収斂が広く見られることから、形態に基づく解析には説得力がないことが分かっている。古代DNAを用いた取り組みも、亜熱帯や温帯の堆積物中ではDNAの分解がおそらく速いため、これまで成功していない。今回我々はプロテオミクス解析の手法を用いて、後期第四紀の南米固有有蹄類のタクソンであるトクソドン(Toxodon;南蹄目)とマクラウケニア(Macrauchenia;滑距目)の骨試料を対象に、系統発生学的に有用な情報を含むタンパク質のアミノ酸配列をスクリーニングした。どちらの分類群についても、I型コラーゲンのα1鎖およびα2鎖のアミノ酸配列の約90%を直接読み取り、各サブユニットの1140個のアミノ酸残基のうち約900個を明らかにした。これらの化石由来のアミノ酸配列と、既知の哺乳類ゲノムのI型コラーゲン遺伝子転写産物や今回の研究のために得た質量分析法によるアミノ酸配列データとを比較解析し、系統発生を推定した。得られたコンセンサス系統樹は、近年報告された高水準の哺乳類系統樹とよく一致する。トクソドンとマクラウケニアは1つの単系統群を形成し、その姉妹タクソンは、近年提唱されたようなアフリカ獣上目でもそれに属するどのクレードでもなく、クラウン奇蹄目(ウマやバク、サイ)であった。これらの結果は、少なくとも一部の南米固有有蹄類の起源が、古代型有胎盤類の側系統群に当たる「顆節目」だとする見方と一致する。プロテオミクスは機器類と解析手法の改善が進んでおり、系統分類学にゲノミクスがもたらしたような革命をもたらす可能性があり、しかも、ゲノミクス以上に古い時代にまで遡れる可能性も秘めている。

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