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農業生態学:ネオニコチノイド系殺虫剤の1種は種子粉衣で野生ハナバチに負の影響を与える

Nature 521, 7550 doi: 10.1038/nature14420

ハナバチにネオニコチノイド系殺虫剤が与える影響を解明することは極めて重要である。なぜなら、ハナバチの多様性や分布の減少が報告されており、また、ハナバチは生態系や農業で花粉媒介者として重要な役割を担っているためである。ネオニコチノイド類はハナバチに許容できないほどのリスクをもたらすのではないかと考えられており、その理由の1つとして植物への浸透性吸収がある。そのため欧州連合は、ハナバチを引き寄せる顕花作物の種子粉衣に3種類のネオニコチノイド類を使用することを一時停止した。この一時停止措置は、基盤となる証拠が弱いとして批判を受けているが、その理由は特に、人工的にネオニコチノイド類を摂取させたハナバチで影響の測定が行われたからである。従って、実際の圃場でハナバチ、特に野生ハナバチに、ネオニコチノイド類がどのような影響を及ぼすのかが重要な問題となる。今回我々は、ある顕花作物で一般的に使われる殺虫剤による種子粉衣が、野生ハナバチに深刻な影響を及ぼし得ることを示す。圃場での反復・比較試験から、Elado(ネオニコチノイド系のクロチアニジンと非浸透性ピレスロイド系のβシフルトリンの合剤を含む殺虫剤)によるアブラナ種子の粉衣は、圃場条件下で野生ハナバチ密度の低下、単独性ハナバチの営巣活動の減少、およびマルハナバチのコロニー増殖や繁殖の抑制を引き起こすことが分かった。従って、このような殺虫剤の使用は圃場において野生ハナバチに相当なリスクをもたらす場合があり、また、野生ハナバチの全球的な減少に対する農薬の関与はこれまで過小評価されていた可能性がある。ミツバチのコロニーには有意の応答が見られなかったことから、ミツバチで報告された農薬の影響から必ずしも野生ハナバチに対する影響を推定できるわけではないと考えられる。

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