Letter
天文学:原始銀河で重力崩壊によって形成される極めて若い大質量のクランプ
Nature 521, 7550 doi: 10.1038/nature14409
宇宙の星形成史がピーク(赤方偏移z ≈ 2)に達するとき、宇宙の物質貯蔵領域から物質が活発に供給されている銀河は、ガスが支配的であり、大質量の星形成クランプを含んでいる。このクランプは、大きな乱流を示しガスの豊富な円盤における激しい重力不安定性によって形成されると考えられている。しかし、クランプが形成される事象は観測されておらず、クランプが若い星からの高エネルギーのフィードバックを生き残れるのかどうか、そしてその後、中心部へと移動して銀河バルジを形成できるのかが、議論になっている。本論文では、z = 1.987 に位置する銀河における、中心核からずれた明るい輝線領域の空間分解分光観測について報告する。この領域は、銀河円盤面での星形成の大部分を占めているものの、星からのその連続スペクトルは深部撮像で検出されていないことから、非常に若い(1000万年未満)大質量のクランプであって、太陽質量の10億倍以上のガスの重力崩壊を通して形成されていることが明らかになった。この若いクランプにおけるガスの消費はホスト銀河より10倍以上速く、この段階における星形成効率が高いことを示しており、我々の流体力学的シミュレーションと一致している。同程度の質量を持つさらに古いクランプの存在頻度と、クランプの形成率(10億年当たり約2.5個)に関する我々の初期の見積もりとを合わせると、クランプの寿命は長い(約5億年)ことが裏付けられ、クランプがフィードバックを生き残り、現在の銀河のバルジを成長させるというモデルを支持している。

