Letter

植物科学:NIK-1を介した翻訳抑制は植物の抗ウイルス免疫機構として機能する

Nature 520, 7549 doi: 10.1038/nature14171

植物と植物病原体は優越性に関する共進化圧を連続的に受けており、こうした相互作用の結果は農業や食糧安全保障にかなりの影響を与えると考えられる。ウイルスと植物の相互作用では、植物の抗ウイルス免疫の主要な仕組みの1つがRNAサイレンシングに依存しており、これはウイルスの共進化するサプレッサーによって抑制されることが多いため、感受性宿主ではウイルスの病原性が増強されることになる。植物はこれに加えて、ヌクレオチド結合部位(NB)とロイシンリッチリピート(LRR)ドメインを含む耐性タンパク質(NB-LRR)を用いている。これらは非ウイルス性感染で用いられているものと似た防御機構でウイルスのエフェクターを認識してエフェクター誘発型免疫を活性化する。植物では、ほとんどの真核生物と異なり、ウイルスと戦うために宿主での翻訳を全体的に抑制する仕組みが活性化されることは知られていなかった。シロイヌナズナ(Arabidopsis)では、ロイシンリッチリピートを持つ受容体様キナーゼ(LRR-RLK)であるNIK1が、ベゴモウイルスの核シャトルタンパク質(NSP)の毒性の標的であることが突き止められている。今回我々は、NIK1の恒常的活性化が全体的な翻訳抑制につながり、下流因子であるRPL10を核に移動させ、RPL10はそこで、新規に見つかったMYB様タンパク質であるL10-INTERACTING MYB DOMAIN-CONTAINING PROTEIN(LIMYB)と相互作用して翻訳装置関連遺伝子の発現を十分に低下させることを示す。LIMYBの過剰発現はリボソームタンパク質遺伝子を転写レベルで抑制し、その結果タンパク質合成の阻害や、ポリソーム画分へのウイルスメッセンジャーRNAの会合の減少、ベゴモウイルスへの耐性増強が引き起こされる。対照的に、LIMYB機能の喪失は翻訳関連遺伝子の抑制を解除し、ウイルス感染に対する感受性を上昇させる。従って、LIMYBは免疫受容体LRR-RLKの活性化と全体的な翻訳抑制を結び付けており、これは植物での抗ウイルス免疫戦略となっている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度