腫瘍免疫学:放射線照射と二重のチェックポイント阻害はがんで重複していない免疫機構を活性化する
Nature 520, 7547 doi: 10.1038/nature14292
免疫チェックポイント阻害剤は目覚ましい臨床応答をもたらすが、最善の結果を得るにはこうした阻害剤同士の組み合わせや、他の治療法との組み合わせが必要になるだろう。このことは、非重複性機構と耐性機構についての根本的な疑問につながる。本論文では、抗CTLA4抗体と放射線照射の両方の治療を受けた転移性黒色腫患者の一部で腫瘍の大幅な退縮が見られ、マウスモデルでこの効果が再現されたことを報告する。併用療法は、放射線照射を受けた腫瘍と受けていない腫瘍で治療応答を改善したが、耐性は両方に共通して見られた。マウスでの非バイアス解析によって、耐性は黒色腫細胞でのPD-L1の発現上昇によるものであり、T細胞の疲弊と関連していることが明らかになった。従って、黒色腫および他のがん種で最善の応答を得るには、放射線照射と抗CTLA4抗体、それに抗PD-L1/PD-1抗体が必要である。抗CTLA4抗体は、主に制御性T(Treg)細胞を阻害し、その結果としてTreg細胞に対するCD8 T細胞の比(CD8/Treg比)が高くなる。放射線照射は、腫瘍内T細胞のT細胞受容体(TCR)レパートリーの多様性を広げる。これらは協働して、抗CTLA4抗体はT細胞の増殖を促進し、一方で放射線照射は増えた末梢クローンのTCRレパートリーを形作る。PD-L1阻害処理を加えるとT細胞の疲弊が防がれてCD8/Treg比の低下が軽減され、さらにオリゴクローナルなT細胞の増殖が促進される。我々の臨床試験に参加した、PD-L1レベルの高い黒色腫患者は、マウスでの結果と同じく、放射線照射と抗CTLA4抗体の組み合わせに応答せず、T細胞の疲弊が継続し、がんは急速に進行した。従って、黒色腫細胞のPD-L1は腫瘍が抗CTLA4抗体療法を回避できるように働いており、放射線照射と抗CTLA4抗体および抗PD-L1抗体を組み合わせて使えば、別々の機構を介して治療応答と免疫を促すことができる。

