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抗生物質:抗生物質の生合成の際に起こる、非リボソーム型ペプチドシンテターゼによるβ-ラクタム形成
Nature 520, 7547 doi: 10.1038/nature14100
非リボソーム型ペプチドシンテターゼは、機能ドメインが繰り返される構造のモジュールで構成された巨大な酵素で、これらのドメインは構成材料になり得る500種類近い化合物群の中からアミノ酸を選び、活性化し、連結する。このようにして生成される構造的、立体化学的に多様なペプチドは、かなり多くの天然物の生合成の基盤となっている。これらに由来する代謝物の多くは、抗生物質バンコマイシン、バシトラシン、ダプトマイシン、β-ラクタムを含むペニシリン、セファロスポリン、ノカルジシンなどのように生物活性を持つ。ペニシリン類とセファロスポリン類は、非リボソーム型ペプチドシンテターゼ(δ-(L-α-アミノアジピル)–L-システイニル–D-バリンシンテターゼ)が従来型反応で作るトリペプチドから合成される。本論文では、セリンを含むペプチドを組み立て、さらにその環化に関わって抗生物質のノカルジシンファミリーに不可欠なβ-ラクタム環を作るという機能の両方を持つ、これまでに例のない非リボソーム型ペプチドシンテターゼ活性について報告する。ヒスチジンを多数含む縮合ドメイン(通常は産物を組み立てる際のペプチド結合形成を担っている)が、内部に埋め込まれた状態の四員環の合成も行う。我々は、ペニシリン/セファロスポリン、クラバム、カルバペネムという他の3種類のβ-ラクタム系抗生物質ファミリーのために進化した合成経路とは異なる機序を考え、それを裏付ける実験を行った。これらの知見から、β-ラクタム環を人工ペプチドに領域特異的、立体特異的に組み込んで、例えば標的を分解するプロテアーゼの不活性化因子などとして使うという可能性が考えられる。

