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がんモデル:タイレリア属の寄生生物はプロリルイソメラーゼを分泌して宿主白血球の形質転換を維持する

Nature 520, 7547 doi: 10.1038/nature14044

感染性病原体は宿主細胞経路と相互作用するために複雑な機構を発達させ、宿主の遺伝的およびエピジェネティックな装置を乗っ取って、宿主細胞の表現型状態を変化させる。アピコンプレックス門の偏性細胞内寄生生物は家畜やヒトで病気を引き起こすが、その中のタイレリア(Theileria)属は哺乳類宿主細胞を形質転換させる唯一の属である。タイレリアはウシ白血球に感染して、増殖性および浸潤性の表現型を誘導し、これに伴ってシグナル伝達経路、特にJNKやAP-1が活性化される。形質転換されたこのような表現型は殺タイレリア薬であるブパルバクォンの投与により元に戻る。我々は以前に、比較ゲノミクスの手法を用いて、熱帯ピロプラズマ病タイレリア(T. annulata)ではペプチジルプロリルイソメラーゼPIN1ホモログ(TaPIN1)が宿主細胞内に分泌され、発がん性シグナル伝達経路を修飾することを突き止めた。本論文では、TaPIN1が真のプロリルイソメラーゼであり、宿主のユビキチンリガーゼFBW7と相互作用して、FBW7の分解を誘導し、次いでc-JUNの安定化を引き起こして、これが形質転換を促進することを示す。我々はin vitroおよびin silico解析や、in vivoでのゼブラフィッシュ異種移植実験を行い、TaPIN1が抗寄生生物剤ブパルバクォン(および他の既知のPIN1阻害剤)により直接阻害されること、また薬剤耐性株ではTaPIN1に変異が生じていることを実証した。従ってプロリン残基の異性化は、がんで重要な保存された機構であり、タイレリア属寄生生物はこの機構を使って、宿主の発がん性シグナル伝達を操作している。

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