非線形光学:極端紫外線過渡回折格子による四波混合実験
Nature 520, 7546 doi: 10.1038/nature14341
三次非線形光–物質相互作用に基づく四波混合(FWM)過程は、超高速の時間分解能とエネルギー選択性や波数ベクトル選択性を組み合わせることができ、線形法では達成できないダイナミクスの探索を可能にする。FWM法のコヒーレントな性質と多波性は、シリコンフォトニクス、サブ波長での撮像、量子通信などの先進技術を開発する上で極めて重要になっている。こうした技術は全て光波長で動作するため、空間分解能が制限され、電子ボルト領域のエネルギーの励起を調べることができない。もっと短い波長、すなわち、極端紫外線や軟X線の領域へ拡張すれば、空間分解能が改善され、励起エネルギーの範囲が広がるだけでなく、内殻共鳴を利用して元素選択性が実現されると考えられる。これまで、そうした波長におけるFWMの応用は、十分な輝度のコヒーレント光源と適切な実験装置がなかったため困難であった。本論文では、FERMI自由電子レーザーが供給するコヒーレントな極端紫外線パルスの干渉によって生成される過渡回折格子を使ってサブ光波長でFWM過程を励起する方法を示す。さらに我々は、FWMシグナルの時間発展を観測できる可能性を実証している。これによって、分子振動としてのコヒーレント励起のダイナミクスが明らかになる。この結果から、ナノメートル空間分解能と元素選択性を持つFWMへの道が開かれ、例えば、電荷移動ダイナミクスの研究が可能になると考えられる。こうした応用を実現する理論的な可能性は、現在進んでいる自由電子レーザーの開発をすでに活気づけている。今回の結果は、サブ光波長においてFWMを実現できることを示しており、これによって現状と将来の光子源の進歩が可能になると期待される。

