Letter
量子物理学:原子のホン–オウ–マンデル実験
Nature 520, 7545 doi: 10.1038/nature14331
2粒子の干渉は量子力学の基本的な特徴だが、単一粒子が示す波動と粒子の二重性よりも直観的に理解しづらい。単一粒子の二重性では、古典的な概念、すなわち波動か粒子か、が引き合いに出され、干渉は通常の時空間で生じる。一方、2粒子の干渉は数学的空間で起こり、古典的な対応物が存在しない。ベルの不等式の破れで量子力学を根本的に検証する場合のように、エンタングルメントがこの2粒子干渉の本質である。 ホン–オウ–マンデル実験は概念的にはもっと簡単な状況であり、2光子の振幅間の干渉が、単純な古典モデルでは説明できない現象を生む。今回我々は、光子の代わりに原子を使ったホン–オウ–マンデル実験を実現したことを報告する。我々は原子のペアを放出する原子源を作製し、各ペアのうち1個の原子はビームスプリッターの2つの入力チャネルのうちの1つに入り、他の原子がもう片方の入力チャネルに入るようにした。原子が空間的に重なり、2つの入力の見分けがつかなくなると、原子は常に出力チャネルの1つから一緒に出現した。この結果からは、量子光学に着想を得た手法を用いて、運動量などの質量を持つ粒子の力学的オブザーバブルに関するベルの不等式を検証し、量子から古典への遷移に関する理論を検証する道が開かれる。また、今回の研究は、量子情報処理や量子シミュレーションへの興味を引くような非古典的原子源の性能を評価する新しい方法を実証している。

