Letter
ナノスケールデバイス:超低しきい値の単層半導体ナノ共振器レーザー
Nature 520, 7545 doi: 10.1038/nature14290
フォトニック共振器を使ってナノメートルスケールの発光体の電磁環境を設計すれば、パーセル領域の共振器量子電気力学を通して、その自然放出率を大きく高めることができる。この効果によって、発光体のレーザー発振しきい値を大幅に低減でき、設置面積が小さく、低消費電力で、超高速変調できる低しきい値レーザーシステムが得られる。超低しきい値のナノスケールレーザーの開発は、フォトニック結晶共振器(PCC)に量子ドットを埋め込むことで成功している。しかし、ドットの位置がランダムで組成がゆらぐ、電流注入が極めて難しい、電子回路との互換性がないなど、いくつかの困難な課題があるため、このアーキテクチャーの実用化は妨げられている。本論文では、新しいレーザー発振方式を報告する。すなわち、二セレン化タングステン単層という原子レベルで薄い結晶半導体を、前もって作製したPCCの表面へ利得媒質として非破壊的かつ決定論的に導入した。その結果、光ポンピングしきい値が130 Kで27 nWと低く、可視光領域で動作する連続波ナノレーザーが実現された。この値は、量子ドットPCCレーザーで達成された値と同程度である。このレーザー発振作用の鍵となるのは、利得媒質の単層性であり、この層が、PCC表面の1 nm以内に直接遷移型励起子を閉じ込める。この表面利得構造から、これまでにない利用可能性が得られるため、静電ゲーティングや電流注入などの外部制御を通して、利得特性を調節する能力が得られ、電気的なポンプ動作が可能になる。我々の方式はスケーラブルであり、オンチップ光通信技術に使う集積フォトニクスと互換性がある。

