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発生生物学:ウンカでは2種類のインスリン受容体が選択的な翅形態を決定する

Nature 519, 7544 doi: 10.1038/nature14286

翅の表現型多型は、さまざまな昆虫において見られる進化的に成功した特性である。長翅型は飛翔可能であり、これによって不利な生息環境から逃れたり変化する資源を追ったりできる。一方、短翅型は飛ぶことはできないが、通常は繁殖力が長翅型よりも高い。アブラムシやコオロギ、ウンカに関する研究から、選択的な翅形態はさまざまな環境要因に応答して生じることや、これらの要因に対する応答に発生ホルモンが関与している可能性が明らかになっている。しかしこの領域の研究では、正確にどのホルモンが関わっているのかについて曖昧な結果や相反する結果が報告されており、現在のところ、昆虫で翅形態の決定に関わる分子機構についてはよく分かっていない。今回我々は、移動性のトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)では、2種類のインスリン受容体InR1とInR2が、forkhead転写因子Foxoの活性を調節することで、長翅と短翅の発生制御において相反する役割を持つことを示す。InR1は、ホスファチジルイノシトール 3-OHキナーゼ(PI(3)K)–プロテインキナーゼB(Akt)シグナル伝達カスケードを介して働き、活性状態では長翅型を誘導し、不活性状態では短翅型を誘導する。InR2は逆に、InR1–PI(3)K–Akt経路の負の調節因子として機能し、InR2の抑制は長翅型の発生につながる。また、脳から分泌されるリガンドIlp3も長翅型の発生を誘導する。これらの知見は、昆虫で翅の表現型多型を調節する分子基盤についての最初の証拠であり、発生の選択的な帰結の二元的制御としても我々の知るかぎりで初めての例であることから、表現型可塑性の発生と進化についての理解を深めるものである。

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