Letter

細胞生物学:N6-メチルアデノシンは一次マイクロRNAをプロセシングするための標識である

Nature 519, 7544 doi: 10.1038/nature14281

マイクロRNA生合成の第1段階は、RNA結合タンパク質のDGCR8およびIII型RNアーゼのDROSHAから構成されるマイクロプロセッサー複合体による一次マイクロRNA(pri-miRNA)のプロセシングである。この開始事象には、ヘアピン型pri-miRNAのステム構造とそれに隣接する一本鎖RNAの連結部がDGCR8によって認識されることが必要で、それに次いでDROSHAが動員されて二本鎖RNAが切断され、pre-miRNA産物が生じる。pri-miRNAプロセシングの基盤となる機構は決定されているが、転写産物に見られる他の二次構造とは全く異なる構造のpri-miRNAをDGCR8が認識して結合する機構は分かっていない。今回我々は、哺乳類細胞でMETTL3(methyltransferase-like 3)がpri-miRNAをメチル化し、DGCR8による認識とプロセシングのための標識付けを行うことを見いだした。このことと一致して、METTL3を除去すると、DGCR8のpri-miRNAへの結合が減少し、その結果として成熟miRNAの全体的な減少が見られ、同時にプロセシングを受けていないpri-miRNAの蓄積が起こった。in vitroでのプロセシング反応から、pri-miRNAプロセシングはN6-メチルアデノシン(m6A)標識があれば、それだけで促進されることが確認された。さらに、機能獲得実験から、miRNAの全体的で非細胞種特異的に起こる成熟の促進には、METTL3だけで十分であることが明らかになった。我々の知見は、m6A標識が、miRNA生合成開始を促進する重要な転写後修飾として働いていることを明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度