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有機化学:配位子によって可能になった、過渡的メディエーターを用いたメタ位C–H活性化
Nature 519, 7543 doi: 10.1038/nature14214
C–H官能基化反応において、特に対象となるC–H結合がすでに存在する官能基から離れている場合に、位置選択性を実現することは重要な課題である。不斉水素化、エポキシ化、リチオ化など多くの重要な反応では、金属への官能基の配位が主要な駆動力や調節要素となることが多い。この効果を利用することによって、配向基を用いた多種多様なC–H活性化反応が開発されてきた。しかし、こうしたC–H活性化方法を適用できるのは、配向官能基が空間的・幾何学的に到達可能な近接C–H結合に限られており、メタ位選択的C–H官能基化反応の開発が依然として重要な課題となっている。最近我々は、この制約を克服できるU字形テンプレートを開発し、これを用いて離れたメタ位C–H結合を選択的に活性化できることを示した。この手法はさまざまな基質や触媒的変換に応用できることが分かったものの、複雑なテンプレートを共有結合的に結合させる必要があることが、合成応用上の実質的な欠点であった。今回我々は、過渡的メディエーターとしてノルボルネンを用いて、単純で汎用的なオルト位配向基によるメタ位選択的C–H活性化を実現する代替的手法について報告する。最初にオルト位C–Hを活性化した後、ノルボルネンによってパラジウム触媒をメタ位につなげるには、新たに開発したピリジン系配位子の使用が不可欠である。この触媒反応は、同一基質のC–H活性化反応の選択性を、触媒で制御することによってオルト位選択性からメタ位選択性に切り替えられることを実証するものである。

