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神経科学:機械感覚的相互作用が、ショウジョウバエの集団行動を促す

Nature 519, 7542 doi: 10.1038/nature14024

集団行動は、動物集団における環境の感知や意志決定を強化する。群れをつくる魚類や鳥類とヒト集団での実験調査や理論的研究から、個体間の単純な相互作用によって新しく出現する集団動態を説明できることが実証されている。これらの知見は、分散的な行動を支える神経回路の存在を示しているが、これに関わる感覚経路がどのようなものなのかは、分子レベルでも細胞レベルでも解明されていない。今回我々は、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)が嫌悪性のにおい刺激に対して集団的反応を示すことを明らかにする。すなわち、この刺激に対する個々のハエの回避行動は弱いが、集団としての逃避反応は増強される。高分解能行動追跡、計算シミュレーション、遺伝的擾乱、神経のサイレンシングと光遺伝学的活性化を用いることにより、この集団的におい回避反応が、2匹のハエ同士の付属肢の接触が連鎖的に起きることによって生じることが明らかになった。ハエ同士の接触感知と集団行動には、肢の遠位側にある機械感覚を担う感覚子ニューロンと機械感覚チャネルNOMPCの活性が必要である。興味深いことに、野生型のハエは、このようなハエ同士の接触を通して、においを感知できない変異ハエにも回避行動をとらせることができる。これはコミュニケーションの基本形といえる。これらのデータは、単独行動性の動物の感覚反応に社会的状況が予想外な重要性を持つことを明確に示しており、動物集団の集団行動の神経回路レベルでの解明に、新たな道を開くものである。

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