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進化学:時空間的トランスクリプトミクスで明らかになった内胚葉の進化史

Nature 519, 7542 doi: 10.1038/nature13996

胚葉の概念は、150年間にわたって、発生生物学、分類学、系統学、進化学における、最も重要な体系化の基本原則の1つとなってきた。3つの胚葉のうち、中胚葉は左右相称動物に見られるが、刺胞動物門や有櫛動物門の種には存在しないことから、最後に進化した胚葉であると考えられる。しかし、外胚葉と内胚葉の起源については不明であり、どちらかが先であるとするモデルもあれば、同時に出現したとするモデルもある。本研究では、線虫の1種(Caenorhabditis elegans)の全ての遺伝子について、胚発生期全体を通しての遺伝子発現の時空間的な要素を調べ、これを用いて胚葉の進化時期を決定した。中胚葉の遺伝子発現プログラムは、外胚葉や内胚葉のものよりも後に誘導されたため、中胚葉は進化的にも発生的にも最後の胚葉であることが示された。意外にも、C. elegansの中胚葉と外胚葉の発現プログラムは共誘導されない。というよりも、内胚葉の方が早期に活性化し、この現象はネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis)、イソギンチャクの1種(Nematostella vectensis)、海綿動物の1種(Amphimedon queenslandica)の胚発生中の内胚葉オルソログの発現でも観察される。特異的に発現する遺伝子の系統発生的年齢を調べたところ、内胚葉がより古い遺伝子を含んでいることが分かった。以上のことから、我々は、内胚葉プログラムは多細胞性の起源にまでさかのぼり、外胚葉は祖先細胞が持っていた摂食機能を失った二次的な胚葉として生じたのではないかと考えている。

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